荻窪・西荻、レトロ・アンティークお散歩コース


所要時間 6~7時間
おすすめの季節 春・秋
予算 1000円~
更新:2020年3月13日

どんな町?

荻窪・西荻窪(以下西荻)は、「アンティーク・古道具屋の街」としてその個性を知られている町です。芥川龍之介をはじめ、多くの文化人が暮らしたことでも知られています。
何もかも「先へ、先へ」と急ぐ東京にあって、あえて変わらないことの大切さを知っているようなふしぎな町。ちょっと立ち止まってゆっくりと自分と向き合ったり、ちょっと昔を振り返ってみたりしたい時、きっとあなたをあたたかく迎え入れてくれることでしょう。
今回はお金をかけずにたっぷり楽しむお散歩コースです。
それではレッツゴー!

コースの概要



 大田黒公園でホッとひと息

まずは大田黒公園に行ってみましょう。

わたしは公園で食べるためのランチを駅前で調達しました。わたしが向かったのは「ブーランジェリーブリュン」というパン屋さん。青い看板が目印です。

お手頃価格のかわいいパンがたくさん並んでいます。お値段なんと100円から!ほとんどのパンが200円以内です。
このサイズ、価格ならいろんな味を楽しめるのがうれしい!


駅前にはおにぎりのさんかく山もありますよ。パンよりおにぎりな気分でしたらこちらもおすすめです。おにぎりと和惣菜は店内で食べることもできます。

閑静な住宅街をてくてく歩いていくと、大田黒公園にたどりつきます。ここはもともとは音楽評論家の大田黒元雄氏のお屋敷だった場所で、大田黒氏の亡き後、杉並区に公園として提供されたものです。
茶室や、有形文化財として登録された洋館も公開されており、洋館は現在「大田黒氏の記念館」として、貴重な資料などが展示されています。
門を抜けるとしばらく長い銀杏並木が続いています。長い木漏れ日の中を歩いているうちに、日常の喧騒から非日常の静かな世界へと心がいざなわれていくような気がします。
中門をくぐると茶室と庭園があらわれます。緩やかな芝の丘が広がり、池には色鮮やかな鯉が泳いでいます。わたしが行った時は土曜日でしたが、人も少なく、静かで心休まる場所になっていました。こんなにきちんと管理されている美しい庭が入場無料なのもすごい!

池のほとりのあずまやで、さきほど買ったパンを食べながら、ボーッと時間を過ごしました。
写真はプリンパン(正式名称は忘れてしまいました。ごめんなさい…)。ちゃんとパリパリのこんがりカラメリゼと、トロっととろけるカスタードクリームのハーモニーがおいしい。まさにパンのクレームブリュレ。しかし本物のクレームブリュレには無い「パンならではの食べごたえ」も加わって、まさに背徳(カロリー)の美味です。でも一口サイズだから罪悪感もあまり感じません。すばらしい…。(というか、食べ物って外で食べると美味しさ3割増しだと思うのですが私だけ…?)
秋は紅葉もみごとで、紅葉の季節には夜間ライトアップもされるようですよ。

園内の大田黒記念館には大田黒氏のピアノがあり、CDのピアノ演奏が館内に流れていました。大正・昭和初期の建築ですが、思いがけずモダンなデザインの内装で、カラフルな壁面のタイルは何とも言えない渋い味わいがありました。
ピアノ演奏を聴きながら、レトロな空間で静かな庭園を眺める、まるで時が止まったような、なんとも贅沢な時間を味わえます。



荻窪教会通りから西荻方面へお散策

大田黒公園を後にして、荻窪の町を散策します。
なんでも荻窪あたりは関東大震災でもその地盤が強固だったために、被害が少なかったそうで、上流階級の人たちに人気の住宅地となって、華族や政治家がこぞって移り住んだ土地だそうです。現在でもお高そうな豪邸が並んでいます。同時に第二次世界大戦で東京大空襲の被害を免れた地域だそうで、その当時の繁栄を感じられる古い建造物も多々見ることができます。荻窪のシンボルともなっている「グンヂッロ郊西」もそのひとつ。
失礼、「西郊ロッヂング」ですね。有形文化財にも登録された旅館で、しかも現在も6000円から泊まることが出来るようです。

ビルとビルの間の細い階段を抜けて、荻窪北口方面に向かってみましょう。
荻窪北口は新しい商業施設やデパート、大きな商店街などがあって賑やかです。
駅前を抜け、「教会通り」にやってきました。
こちらは古くからある「セブンスデー・アドベンチスト天沼教会」に至る約500メートルの細い路地ですが、ラーメン屋をはじめとするグルメスポット、ちょっとおしゃれな雑貨屋さんなど、約80店舗が店を構えています。
古い歴史を感じるクリーニング屋さんもあります。ラーメン激戦区として知られる荻窪。「ラーメンが食べたい!」と思ったら、教会通り商店街を訪れてみてはいかがでしょう!
商店街の先にはセブンスデー・アドベンチスト天沼教会があります。立派なパイプオルガンで知られる歴史ある教会です。
「荻窪の音楽祭」にはハンドベルコワイヤーなどが行われ、誰でも入ることが出来るようですよ。

アニメーションミュージアムで、杉並ポップカルチャーを体感

教会通り商店街を抜けて、しばらく西荻方面へお散歩します。途中、謎のアート空間にも出くわしました。
写真を撮っていいか分からなかったので写真は撮りませんでしたが…。もし興味がありましたら立ち寄ってみてください。
青梅街道沿いは車の往来が多い大きい道路ですが、一本脇に入ると静かな住宅街です。
ときおり交わる道は、遥か遠くまで見渡せる不思議な道です。

東京工芸大学杉並アニメーションミュージアムは駅から離れた住宅地に佇んでいます。(いつの間にか「東京工芸大学」が名前のあたまに…)「杉並会館」の3階がミュージアムで入場無料です。
杉並区や練馬区には最も多くのアニメスタジオや漫画家が集結するエリアとして知られており、このミュージアムでは「情熱と誇りを持ってアニメーションに人生を捧げた人たちが、杉並区にたくさんいたんだなあ」と感じることができます。アニメーション上映や資料展示、アニメーター体験・アフレコ体験などもでき、アニメーションの仕組みを学ぶこともできますよ。



西荻アンティークショップめぐり

杉並アニメーションミュージアムを出てからしばらく西荻方面に歩くと、次第に数々の骨董・アンティークショップや雑貨屋さんがあらわれます。

こけしやでお土産スイーツ

西荻駅前を散策してみましょう。駅前の商店街にはピンクのぞうさんも居てかわいいです。
彫刻家薮内佐斗司の「童子像」も駅の周辺で鑑賞できます。おしゃれなお花屋さんやすてきな洋風カフェ「グレース」などもあって、のんびり歩くと楽しいですよ。

お散歩の終わりにおみやげにおすすめなのが、西荻駅前の老舗洋菓子(洋食)店「こけしや」さんです。
何とも印象的なすてきなデザインの看板が目印。
二階はレストランなのですが、一階ではお持ち帰りのスイーツを数々取り揃えています。
どこか昔懐かしいおもむきのただよう生ケーキが200円代~と、お手頃価格で買うことができてテンションが上がるお店です。
パッケージもレトロ可愛くて、西荻感満点のお土産ですよ。


おうちに帰ってあれこれおしゃべりしながら食べるスイーツは最高です…。
みどころたっぷりの荻窪・西荻散歩。
けっこう長いコースなので、ゆったりと時間のある日に一日かけて回ってみてはいかがでしょうか。
西荻窪の北にある善福寺公園方面もお散歩のしがいがあるので、こちらのコースもまた今度ご紹介しますね。

 




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